
常務取締役
後藤 尚達
目の前の仕事に対して100%情熱を
燃やせる人間が僕は欲しい。
ー人見知りで人とのコミュニケーション取るのが苦手、だからそれを克服したかった。
レポーター : 今日は宜しくお願いします。まず話として聞きたいのは、後藤さんらしさというか、後藤さんが考える営業とか、イズム的な話から、そういう哲学的な話が聞きたいです。
後藤 : 凄い意地悪だと思わない?笑
レポーター : いやいや…笑
後藤 : 哲学的なんて全く無縁は話で…そんな引き出しなんか持ってないよ。笑
レポーター : いやいや…でもあるじゃないですか!こういうスタンスで仕事しているとか、そういうの。
後藤 : うーん。マインドの話かな?
レポーター : マインド的な話ですね!そもそも営業をはじめるきっかけって何でしたか?
後藤 : 基本的には、いまでも変わらないけど人見知りなんですよ。
レポーター : そうは思わないですけど。
後藤 : いや、結構この話いろいろなところでしてますよ。もの凄く人見知り。
人見知りで人とのコミュニケーション取るのが苦手だから、だからそれを克服したいって学生の頃から思っていて、営業の世界に入ったのがきっかです。
レポーター : 最初に入ったのは車ディラーでしたっけ?
後藤 : 車がただ単に好きだったから。しかもアメ車が好きだった。「アメ車を売りたい!」と思って最初に入ったのがフォードという販売店です。いや、本当に純粋にそれだけですよ。大笑
レポーター : その時の後藤さんはどんな新入社員だったのでしょうか?
後藤 : いまでは想像もつかないですけど、入社式の日に金髪でいったんですよ、実は。
レポーター : 本当に!?大笑
後藤 : そう。で、当時副社長がいて、副社長に「帰れ」って言われて。
レポーター : そうでしょうね。だって営業ですものね。
後藤 : そう。つまり、学生のままだったってことなんですよ。学生がそのまま社会人になってしまって。
要は、金髪で行ってやろうとかそういうのでなく、元々そういう頭だったからそのまま行ってしまっただけなんですけどね。別に悪いとも思っていなくて。それがネクタイして行ったって言う。笑
で、帰れ…と。
全国のフォード販売店の人たちが集まって、大顰蹙者ですよ。結構、浮いてた。大笑
レポーター : そういう時に周りと俺違うなとか、ビビりとかは無かったんですか?
後藤 : ビビりは無かったけど、なんだろ、ふざけていたね。笑
本当、いまだから言えるけど、スタートは早い方がいいなと思うよね。自分の経験から言ってそう。学生の時に学生をやってちゃダメですね。学生の時から社会人のマインドで、やっぱり生活することをやってないとダメだなって。
僕は社会人になっても学生だったってことですよ。だから、スタートが結構出遅れてしまって。勉強もしなかったし、研修も参加したけど参加してなかったしね。だから、めちゃめちゃ出遅れたっていう。
レポーター : 最初はなかなか成果が出ず苦しんだりしたのでは?
後藤 : いや、出してましたね。
レポーター : え、出たんですか?
後藤 : 出ましたね。
レポーター : それはどうして?
後藤 : あのね。車を売るってことしか求められていないんですよ。
なんか、そういう察知する能力だけはあって、要は会社に入ってちゃらんぽらんなことは変わらないですけど、何を求められているのか?ってことだけは分かっていたんですね。
だから、「車を売ることだけ考えればいいんだ」ってすぐに気付いたから、だから売るためにどうするか?ってことを知識がない中でも、考えたワケですよ。
レポーター : いきなり成果が出せたんですね。
後藤 : 出せましたね。でも、成果を出すっていったって、人並みよりちょっといいくらいですよ。トップセールスの中にいたワケじゃないし。
レポーター : なるほど。
営業やっていて、挫折したことってないんですか?
後藤 : ありますよ。
はじめてセールスした時に、吃音症みたいになって声が出なくなった。それまで、人見知りだけどコミュニケーションが全く取れない程ではなかったし。対面でセールスして吃音症のようになるなんて想像もしてないし、その時は落ち込んだし悩みましたよね。何を言ったらいいか分からなくなったんですよ。それがね、最初の挫折。いまでも覚えています。

売れてない人のことは全く見ない。「髪の毛一本でも成長しよう」っていうそういう気持ちが大事。
レポーター : しかし、その挫折から成長していくワケですよね。
何をしたんですか。
後藤 : 売るためにはどうしたらいいんだろう?ってことをひたすた考えますよね。一番売れている人の背中を見るようにしたんですよ。だから、言い方悪いですけど、売れてない人のことは全く見ない。これは昔からそうなんです。売れている人が商談をしていたら、その後ろに付いてその人がどうやって売っているのかずっと見ているんです。
あと、平日は売れている人に「付いていっていいですか?」って聞いて、その人が普段どういった生活をしているのかっていうのを見て回ることをしていましたね。そのままコピるんです。
レポーター : やはりコピーが大事ですか。
後藤 : コピーが大事と言うか、行動特性が大事ってことに気付いていくんですよ。そういうことを知らないで無意識だったとは思うんですけどね。でも、売る人のマネをするのが早いっていう結論は先にあったので、マネるんです。飯も一緒だし。酒は苦手だけど、その人とは飲みにも行くしね。笑
四六時中一緒。でもそこまでやっても完全なコピーをしていくことって難しい。だから段々見方が変わってきて、行動特性が大事だってことに気づいていくんです。
レポーター : そうなると段々その人の思考に似てくるって感じなんですかね。
後藤 : そう。似てくる。
レポーター : 逆に営業で成功する人たちの思考って、どんな感じなんですか?
後藤 : あのねー、負けず嫌いとか言う話は良くありますけど、それは当たり前。あえて言うなら、「今日より明日を良くしよう」って思える人間が、僕はベストかなって思います。これはずっと僕の中であって、「髪の毛一本でも成長しよう」っていうそういう気持ち。明日は、今日よりも超えられる努力を更に継続して続けられることが力になるって感じですかね。お客さんとのコミュニケーションについても、更に一歩踏み込んで行けるようになるし、成果もそうだし。
昨日よりも今日は上回れたってことがもの凄く大事だと思う。

ーよく「今週空いてますか?」って聞かれて、「いいですよ」って言う人いるけど、それが僕の場合、屈辱なんです。
レポーター : 自分の成長を振り返る機会って結構持っていたりするのでしょうか?
後藤 : あまりしないですね。あ、でも、一日の最後に明日のスケジュールをつくります。基本的にはこのセットアップが、振り返りには近い行為になるのかな。このスケジュールが凄く大事で、今日のスケジュールよりも明日のスケジュールの方が上回っているのかっていうのが大事なんですよ。考えながら。だから、スケジュールをつくるのにもの凄く考えるし、時間も使う。そしてやりながら、どうやって効率よくより効果的に仕事するのかってことを考えてやるから、別にそんな振り返ったりする必要なくなってくるんですよね。僕の場合その週の週末には翌週のスケジュールが全部決まっているんですよね。8割は決まっている。だから、その週のスケジュールに「この日予定入れてもいいですか?」って聞かれても、僕の場合組めないんですよ。僕、そんなに暇ではないので。それが屈辱であったりします、ある意味ね。笑
「よく今週空いてますか?」って聞かれて、「いいですよ」って言う人いるけど、それが屈辱なんですよね。僕の場合。
レポーター : 逆にスケジュールがみっちり組まれている時は、充実感もあるってことですよね?
後藤 : 充実感もあるし、やっぱりそういう時は働いている。
レポーター : そして成果も出ている。
後藤 : そう。やっぱり最初に言った「今日より明日はもっと成長しよう」っていうそういう自分をスケジュールで確認できるようになります。難しいことはやりません。

ー輝ける何かがあるってことは、普通じゃない。
レポーター : 例えば、はじめて社会に出て営業ってものを体験する人にアドバイスできることってその他に何かあったりしますか?
後藤 : 意識を変えるってことかな。なんだろ?普通じゃダメだよってことなんです。今朝ね朝礼の時にもちょうど共有した話なんですけど、田中みな実っているじゃないですか?彼女、このご時世に30万部写真集が売っているんです。凄いでしょ。しかも増版増版で30万部売れるって、よっぽどですよね。
かわいいだけじゃないんですよね。かわいい娘って別にいくらでもいるじゃないですか?特に芸能の世界なら珍しくもないですよね。そう思いません?
レポーター : そうですよね。
後藤 : 死ぬほどいるよね。でも、やっぱり輝ける何かがあるってことは、普通じゃない。あの娘って、普通じゃないキャラを持っていると思う。だから、凄く好かれるし、凄く嫌われていますよね。営業やる上ではそのセンスが凄い大事です。
普通にやっている奴ってダメなんですよ。だって、普通じゃん。笑
それが、この厳しいビジネスシーンの中で競合もいるし、普通のままでやっていけるか?って話なんですよ。
レポーター : いや、これは意外なところからの話でしたね。
後藤 : 普通じゃ話にならないね。笑
普通じゃないパーソナリティーを持つ必要がある。うん、やっぱ自分磨きっていうのかな。人とは違うものを身に着けるってことがめちゃくちゃ大事。思考でもいいし、何でもいい。
レポーター : なんかそういう思考を身に着けるために、本を沢山読むとかってあまりやったりしてないですよね?たしか。
後藤 : やらないね。
レポーター : どうやって、そのパーソナリティーを育てていたりしているんですか?
後藤 : 基本的には「Going my way」なんですよ。自分が自分らしく生きるっていうか、仕事するっていうか、我が道を行くっていうスタイル。相手を尊敬しつつも、自分を貫く。これは結構大事だよね。

ー車で走っていてインター通り過ぎるとかしょっちゅうです。
レポーター : 話題を変えますが、オフ中にどんなことしてるのかとかも聞きたいんですが、仕事に活かすためにオフ中にしていることとかって何かあったりしますか?
後藤 : あのねー…これはいいか悪いか分からないんだけど。ずっと仕事のことを考えていますよ。
レポーター : うーん。苦笑
後藤 : よくないなと思って…。大笑
レポーター : それ、ダメじゃないですか!大笑
後藤 : あんま聞かないでくれる。笑
車で走っていてインター通り過ぎるとかしょっちゅう。
レポーター : どんなことを考えていたりします?
後藤 : 未来のことを考えますね。そうすると、イオンに行こうとしてるのに、通り過ぎちゃうワケですよ。
かみさんによく怒られます。笑
サッカー見ているときだけだね、仕事のことを忘れられるのは。あと家にいるときだけ。最近家にいる時は忘れられるようになってきているかな。クソつまらない奴ですよね。なんかこれ、やばくない?大笑

ー契約をする時に本当の顔を見せるんですよ。
レポーター : これまでいろいろな営業をやってきていますよね?
最初は車の販売、その後は広告でしたっけ?そして、不動産になるワケですけど。たぶん、業種は変わっても営業をやるって意味でプロフェショナリズムとして大事にしているってことってあると思うんです。営業を職にすることで大事にしてきていること、またはこれが楽しくてやってきているってこと、何かありますか?
後藤 : 不動産の仕事をやりはじめて楽しくなったことはありますよ。契約する時が本当に楽しくて、それは契約する人が本当の顔を見せる瞬間に立ち会えるんです。これマニアック過ぎてあまり盛り上がる話じゃないと思うよ。
レポーター : いや、でも聞きたいですね。
後藤 : 契約をする時に本当の顔を見せるんですよ。実は会社を経営してるんですとか、資産運用についてこんな考えがあるとか、いろいろね。その瞬間がたまらない。一回取引をして口座をつくってからが実は勝負でー。
レポーター : そこから掘っていくってことですね。
後藤 : そう。それと、自分が本物じゃなきゃダメなんですよね。偽物はダメだよって僕良く言うんですけど。社員なんかにも言う話。偽物は、お客さんにバレちゃうからね。一生付き合えないんですよね。っていうことなんですよ。
偽ヴィトンだったら一生使って貰えないでしょ?本物なら直してでも使うけど。そこでどれくらい長きに渡ってお客さんと付き合っていけるか。継続的にね。これが本当に大事。プロとして営業を続けていく本質はここにありますかね。
レポーター : NHKみたいな話で申し訳ないですけど、あえて一言で「プロフェッショナルとは?」みたいなことを一言で何か言えませんか?笑
後藤 : またそういう難しいこと言うよねー。笑
ま、でもあれなんじゃない?さっきからの繰り返しになっちゃうけど、「今日より明日よくしよう」っていう人はプロフェッショナルといえるんじゃないのかな?これがない人は、僕の知っている中では難しい気がするね。

ー目の前の仕事に対して100%情熱を燃やせる人間が僕は欲しい。
レポーター : 最後に月並みなんですけど、これから来るイコムで働く若い人たちや、仲間に対して、こういう人と働きたいみたいな、そういうの何か頂けますか?
後藤 : 一般的に見ると、うちの会社に入って将来こういう風になりたいってプランを持っているような人っていいのかなって思うじゃない?でも、そうじゃなくて、この目の前の仕事に対して100%情熱を燃やせる人間が僕は欲しいんですよ。だって、将来どうなりたいとかこうなりたいとかさ、VISIONは大事だなとは思ってるよ。思ってるけど、いまこの瞬間燃え尽きて100%情熱を向けられない奴に未来なんかないワケですよ。僕の中ではね。それができていたら、キャリアは後からでも付いてきます。僕がそうだったから。やっぱり好きなこととか、やりたいこととか、与えられたことに対して情熱を燃やせられる人間。そういう人間が欲しいよね。そうすればキャリアはついて来る。年収も上がる。絶対にポジティブになれると思うんですよね。
レポーター : 最後に、将来の話も出たので、将来のイコムどうなっていたいみたいな話をお願いできますか?
後藤 : あのね。たまたまそういう話に先日なったんですよ。もちろんいまある目標を達成できるようになっていて、いい会社になっているって言うのが前提なんですけど。僕は皆が独立していっていいと思っているんですよ。要は、うちの企業文化って、上下関係がないって感じがあって、凄くいい企業文化だと思っているんです。気を使わないっていいじゃない。社員も僕に気を使わないじゃない。笑
レポーター : そんなことないですよ。大笑
後藤 : でも、それってめちゃくちゃいい企業文化だって本当に思っているワケですよ。皆、年だって取るし、そうすると皆変わってきていろいろな人間関係の柵が特にこれから人が増えてくると出てくるじゃないですか。
僕は普通の会社とかつまらないなと思っていて、会社とは雇用契約ではなくて、業務委託契約でもいいしね、言い方としてはフリーランスって言い方になるんだけど、独立してイコムと仕事をやっているっていう集合体になっているのが、理想だと思っているんです。だから、社員なんて数人。仕事に応じたインセンティブを貰う。そうすると、たぶんね給料より上がるんだよね。
レポーター : うん、そうでしょうね。
後藤 : で、皆が上下関係がなくてフラット。それでいて、平等。でも、契約があってイコムの仕事をやっている。そんなイメージです。
レポーター : それ凄くいいですね。
後藤 : そうなったら皆、経営者だから。すごい楽しいと思うよ。仕事にだって燃えるようになるしね。皆、フリーランスであって、個人事業主あって、イコムと契約していてさ。そんな会社まだないでしょ。
レポーター : 最高ですね。